アベオナ・セラピューティクス(Abeona Therapeutics、現行のサンフィリッポ症候群A型に対する 第I/II相 遺伝子治療臨床試験で最初の高用量投与被験者を登録


  • サンフィリッポ症候群A型患者のための先進的臨床遺伝子治療プログラムABO-102は、これまで中枢神経系(CNS)および 末梢器官疾患における生物作用能を実証してきている
  • 最初の高用量投与コホート患者が登録され、全患者(n = 4)の注射投与後の累積日数は644日間で、これまでに重篤な有害作用(SAE は報告されていない
  • 欧州およびオーストラリアにおける総合的なABO-102の登録は第2四半期に開始

ニューヨークおよびクリーブランド発, Feb. 02, 2017 (GLOBE NEWSWIRE) -- 生命に危険を及ぼす希少疾病のための遺伝子療法の開発に取り組む臨床段階向けバイオ医薬品会社、アベオナ・セラピューティクス社 (Abeona Therapeutics Inc.、(Nasdaq:ABEO) は本日、現在進行中のABO-102(AAV-SGSH)の第I/II相試験において最初の高用量投与被験者を登録したことを発表した。ヒトに対する初の臨床試験では、MPS IIIA(サンフィリッポ症候群A型)患者を対象にAAV 遺伝子治療の静脈注射を1回投与する。このMPS IIIA(サンフィリッポ症候群A型)は、神経認知障害、言語機能の喪失、運動機能の喪失、早期の死亡を引き起こす、全細胞と臓器を害する深刻なリソソーム蓄積症である。

本臨床試験の治験責任者であり、全国子ども病院(Nationwide Children’s Hospital)遺伝子治療および神経筋障害プログラムセンター(Center for Gene Therapy and Neuromuscular Disorders Program)のディレクター、オハイオ州立大学医学部小児科および神経科教授を兼任するケビン・M. フラニガン(Kevin M. Flanigan)医師は次のように述べている。「低用量投与患者から得られる有望な臨床データは、AAVの静脈注射による全身治療アプローチを継続することによって、身体のあらゆる臓器内、特に脳内のSGSH 酵素活性を発現・誘発することができます。また、2名の初期被験者の6ヶ月の生物作用能が持続的な治療効果を見せており、今月後半に行われるWORLDSymposium リソソーム蓄積症会議でさらなる情報を発表できることを楽しみにしています。」

FDAによる優先承認をすでに受けている現在進行中の第I/II相臨床試験は、MPS IIIA疾患の患者におけるABO-102 の安全性および有効性に関する予備的適応の評価を目的としている。臨床試験の設計ごとに、低投与量の被験者と高投与量コホートの被験者に1回のABO-102の静脈注射を実施し、AAV ウイルス・ベクターを体系的に体全体に投与することにより、MPS IIIA 疾患、特にCNSの原因の基となる遺伝子の修正コピーを導入する。安全性の評価および生物作用能の初期前兆を観察するため、被験者は、最初の注射投与後6ヶ月以上にわたり、複数回評価される。

前回発表された、低用量投与コホートにおける注射投与後30日間の結果は次のとおりである。

  • ABO-102は、尿中GAG(ヘパラン硫酸)を57.6% +/- 8.2%減少
  • ABO-102は、CSF中GAG(ヘパラン硫酸)を25.6% +/- 0.8%減少
  • 肝臓容積を17.7% +/- 1.9%減少
  • 脾臓容積を17.6% +/- 7.1%減少

アベオナ・セラピューティクス社の代表取締役およびCEOであるティモティー・J. ・ミラー 博士(Timothy J. Miller, Ph.D.)は、次のように述べている。「CSFと尿中ヘパラン硫酸GAGの減少、肝臓および脾臓容積の減少ならびに神経学的影響というこれらの組み合わせが、MPS III患者のための世界トップレベルの遺伝子治療パラダイムを支えています。次回のWORLDSymposiumでの生物作用能と神経学データに関するフラニガン医師のプレゼンテーションを楽しみにしています。」

アベオナのMPS IIIAプログラムであるABO-102は、米国および欧州で希少疾病用医薬品に指定されており、米国では希少小児疾患指定も受けている。

ABO-102AAV-SGSH)についてABO-102は、 MPS IIIA (サンフィリッポ症候群A型) のためのアデノ随伴ウイルス (AAV)を基礎とした 遺伝子療法であり、疾病の原因となる遺伝性の疾患作用を減弱させるため、中枢神経系(CNS)の細胞に欠陥遺伝子の正常なコピーを1回静注する。ABO-102は、低用量投与コホートの初期被験者で、高い忍容性を示し、MPS IIIA またはサンフィリッポ症候群A型患者における注射注入後30日間にも安全性および忍容性に対する問題点は見られなかった。この疾病は、SGSH酵素活性が欠乏することにより中枢神経系(CNS) および全組織や器官におけるGAG (具体的にはヘパラン硫酸)の異常な蓄積をもたらす、遺伝変種による希少常染色体劣性疾患である。ヘパラン硫酸の蓄積は、結果的に、神経認知障害、言語機能の喪失、運動機能の喪失、早期の死亡を引き起こす。これまでのところ、尿およびCSF内の GAG(グリコサミノグリカン、具体的にはヘパラン硫酸)測定における初期生物作用能の有効性、また、臨床試験に参加し治療を受けた初期被験者の肝臓・脾臓に潜在的な疾患修飾効果が認められている。臨床研究は、神経認知評価、生化学的評価、ならびに25名の被験者のMPS III自然経過調査によるMRI データによって行われており、引き続き全国子ども病院(Nationwide Children's Hospital) にて1年間にわたり患者の経過観察評価が実施される。

アベオナについてアベオナ・セラピューティクス社(Abeona Therapeutics Inc.)は、生命に危険を及ぼす希少疾病のための遺伝子療法の開発に携われる臨床段階向けバイオ医薬品会社である。アベオナのリード・プログラムには、サンフィリッポ症候群(各MPS IIIAおよびIIIB向け)のための、アデノ随伴ウイルス(AAV)を活用する遺伝子療法であるABO-102 (AAV-SGSH) および ABO-101 (AAV-NAGLU) などがある。アベオナでは、劣性ジストロフィー表皮水疱症(RDEB) のためのEB-101(遺伝子修正皮膚移植片)、表皮水疱症 (EB) のためのEB-201、小児バッテン病(JNCL)のためのABO-201(AAV-CLN3)遺伝子療法、幼児バッテン病(INCL)のためのABO-202 (AAV-CLN1)遺伝子療法、ファンコニー貧血のためのABO-301 (AAV-FANCC)、希少血液疾患のための遺伝子療法に対する新規のCRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集のアプローチを使用するABO-302も開発中である。さらにアベオナでは、同社特有のエタノール不使用のSDF™(塩類ダイアフィルトレーション)を使用する、遺伝性COPDのためのSDF Alpha™(α-1プロテアーゼ阻害剤)をはじめとする血漿ベースのタンパク療法パイプラインも持っている。詳しくは、www.abeonatherapeutics.comを参照のこと。

本プレスリリースには、1933年米国証券民事訴訟改革法(Private Securities Litigation Reform Act of 1995)(その改訂版) のセクション27aの意義の範囲内における将来の見通しに関する、リスクや不確実性を伴う記述が含まれている。これらの記述には、EMAによる指定が、極めて治療法の少ない患者人口のためのこれらの製品の科学的・臨床的トランスレーションの重要な検証であるという同社の確信も含まれるが、それのみに限定されるものではない。これらの記述には、同社の希少疾病ポートフォリオに対する継続した関心、同社の治験に患者を組み入れる能力、治験の継続に成功する能力、競走による影響、製品やテクノロジーを開発する能力、必要な規制的承認を達成・取得する能力、金融市場および世界手経済環境の変化によるインパクト、証券取引委員会(Securities and Exchange Commission)に同社が随時提出するフォーム10-Kの年次報告書やその他の報告書に記載されているその他のリスクを含めた、多数のリスクや不確実性が伴われるが、これらに限定されるものではない。同社は、新しい情報、将来の展開やその他いかなる理由であっても、本リリースに記載されている将来の見通しに関する記述の改訂や本リリースの日付後に発生する出来事や状況を反映させるためにこれらを更新する義務を負わない。 


            

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