アベオナ・セラピューティクス、2017年度第13回年次ワールドシンポジウムにおいてabo-102第1/2相mps Iiia治験の新情報を提供


ニューヨークおよびクリーブランド, Feb. 21, 2017 (GLOBE NEWSWIRE) -- アベオナ・セラピューティクス (Abeona Therapeutics Inc.、NASDAQ:ABEO) は以下の発表を行った。

  • ABO-102遺伝子療法は、4人の被験者 (低用量N=3、高用量N=1) 650日間のフォローアップ期間にわたり、重篤な有害事象がなく、優れた忍容性を示した
  • 注射後6ヶ月に、ヘパラン硫酸GAGが中枢神経で63% +/- 0.5%低下 (N=2)
  • 肝臓と脾臓の体積と尿中GAGの減少を含めた、バイオポテンシーの継続したエビデンス
  • 6ヶ月のタイムポイントで評価した2人の被験者は、数件の「マレン・サブドメイン (Mullen subdomain) で、安定化と改善のエビエンスを示した (2人の被験者で平均60%)
  • バインランドの適応行動評価が安定化
  • リーターR非言語IQ評価の個別項目を完了させる能力の改善が被験者で見られ、素点が向上

生命に危険を及ぼす希少疾病のための遺伝子療法の開発に注目している臨床段階向けバイオ医薬品会社、アベオナ・セラピューティクス社 (Abeona Therapeutics Inc.、NASDAQ:ABEO) は、カリフォルニア州サンディエゴで開催された2017年度第13回年次ワールドシンポジウム (WORLDSymposium™) ライソゾーム蓄積症会議において、A型サンフィリッポ症候群 (MPS IIIA) の現在実施中の遺伝子療法治験について、更新されたデータを発表した。実施中のABO-102 (AAV-SGSH) の第1/2相治験は、常染色体劣性の希少疾病であり、体内すべての細胞・臓器に影響し、患児に神経認知障害、言語機能の喪失、運動機能の喪失、早期の死亡を引き起こすMPS IIIAの患者のための、AAV遺伝子療法を1回静注する、人体における初の治験である。

ネイションワイド・チルドレンズ・ホスピタル、遺伝子療法センターの治験責任医師であり、オハイオ大学医学部の小児科・神経科教授のケビン・M・フラニガン博士 (Kevin M. Flanigan, M.D.) は「低用量群では良好な忍容性とバイオポテンシーの兆候が引き続き見られていることを嬉しく思っています。現在高用量群の組み入れを実施中です。さらに、投与後6ヶ月にCSFでのGAG測定値がさらに減少したこと、および一部の認知機能の安定化または改善を示す初期的なエビデンスが見られたことを嬉しく思っています」と述べている。

治験の設計通り、MPS IIIA疾患の根本的原因である遺伝子を修正するコピーを体内全体的に行き渡らせるAAVウィルスベクトルの体系的なデリバリーを行うために、被験者にABO-102を単回静注した。注射後に、安全評価および当初のバイオポテンシーと臨床的活性について被験者を複数回評価しており、ABO-102が中枢神経系を含めた体内の標的組織に到達したことが示唆された。ワールドシンポジウム (WORLDSymposium™) 会議で報告された観察事項には、以下の事項が含まれている。

  • 安全性: ABO-102は5E13 vg/kg ABO-102の低用量の注射を受けた被験者で忍容性に優れており、注射後合計650日以上にわたり治療関係の有害事象や重篤な有害事象 (SAE) は見られていない。高用量群の組み入れが始まったが、これまでに重篤な有害事象 (SAE) は報告されていない。

  • バイオポテンシー: MPS III被験者を評価した公表済みの自然経過研究では、同疾患の病理の症状として、被験者人口で脳脊髄液 (CSF) および尿中のGAG (ヘパラン硫酸、「HS」) の大幅な上昇が見られた。以前に発表されたとおり、低用量群の全被験者はCSF HSがベースラインから25.6% +/- 0.8%の減少を示し、ABO-102が静注後に血液脳関門を通過したことが示唆されている。6ヶ月のフォローアップ (n=2) では、CSF HSがベースライン値から引き続き減少し続けて63.1% +/- 0.5%に達し、蓄積病理の排出がさらに改善されたことを示唆している。提示されたデータは、尿中のヘパラン硫酸および尿中の合計GAGフラグメントの減少を示した。

  • 肝脾腫: MPS IIIの25人の患者における自然経過研究 (The natural history study in 25 subjects with MPS III) (Truxal他、2016年、Mol.Genet.Metab.) では、平均116%から88%の肝脾肥大が見られた被験者で、1年間のフォローアップにおいて変化がなかったことを示している。3人の被験者は全員、注射の30日後に肝臓体積に大きな減少が見られた (17.1% +/- 1.9%)。低用量被験者 (n=2) では、6ヶ月後のフォローアップでこの効果が維持されており、肝臓の体積はベースラインからさらに29.7 – 30.3%縮小し、脾臓は2.2 – 12.9%縮小した。

  • 認知評価: 治験では、リーター国際作業スケール第3版 (リーター3)、バインランド適応行動尺度第2版 (バインランドII)、マレン早期学習尺度の、3つの検証済み神経認知・行動評価ツールを使用している。認知評価はベースラインおよび6ヶ月評価 (n=2) で実施されており、12ヶ月のフォローアップ来院でも実施される。これらの評価では、微細運動、視力、言語表出力、言語受容力などの数件のサブドメインを測定する機会をもたらしている。最初の2人の低用量患者の評価では、認知力安定についての早期のエビデンスが見られた。6ヶ月のタイムポイントで評価した2人の被験者は、数件のマレン・サブドメインで、スコアの安定化と改善のエビエンスを示した (2人の被験者で平均60%)。バインランドの適応行動評価も安定化した。リーターR非言語IQ評価の個別項目を完了させる能力の改善が双方の被験者で見られ、素点が向上した。

アベオナ・セラピューティクスの社長兼CEO、ティモシー・J・ミラー (Timothy J. Miller) 博士は「このデータは、ABO-102が早期にしっかりと全身的に到達していることを示しています。CNSのHS GAGが減少が実現されていることは、サンフィリッポ症候群の患者にABO-102を静注するという当社の取り組みをサポートしています。早期の神経認知評価で良いシグナルが見られていること、およびこの治験で引き続きバイオマーカーシグナルが見られていることを嬉しく思っています。治験はまだ早期段階ですが、結果がとても有望であり、この治験の組み入れを拡張し、国際臨床施設2ヶ所での組み入れを加速させていく予定です」と述べている。

アベオナのMPS IIIAプログラムである「ABO-102」は、米国および欧州連合で希少薬指定を受け、米国では希少小児疾病指定を受け、最近では米国FDAから優先処理 (Fast Track) の指定を受けた。

サンフィリッポ症候群 (ムコ多糖症 (MPS) III型): それぞれ単一の遺伝子異常に起因する4つの遺伝病の群であり、A、B、C、D型に分類され、体内組織でグリコサミノグリカン (GAGまたは糖分) の蓄積を起こす酵素欠乏が生じる。MPS IIIは、正常なライソゾーム機能の欠乏から生じる、希少な先天的代謝エラー群のライソゾーム蓄積症である。MPS III (全4種合計) の発生率は新生児7万人につき1人であると想定されている。ムコ多糖類は、体内の結合組織を生成するために使われる糖分子の長連鎖である。体内には、使用済みの物質を置換して処分のために分解する持続したプロセスがある。MPS IIIの患児では、ヘパラン硫酸と呼ばれる、使用済みのムコ多糖類を分解するために不可欠な酵素が欠乏している。部分的に分解されたムコ多糖分が体内の細胞に蓄積され、累進的な損傷を及ぼす。MPS IIIでは、主要な症状は脳および脊髄をはじめとした中枢神経系 (CNS) における蓄積から生じ、認知障害、運動機能障害、最終的には死亡に至る。MPS IIIを完治できる治療はなく、治療は一般的に支持療法であることがこの要点である。

アベオナ・セラピューティクスについて: アベオナ・セラピューティクス社 (Abeona Therapeutics Inc.) は、生命に危険を及ぼす希少疾病のための遺伝子療法の開発に携われる臨床段階向けバイオ医薬品会社である。アベオナのリード・プログラムには、サンフィリッポ症候群 (それぞれMPS IIIAおよびIIIB向け) のための、アデノ随伴ウイルス (AAV) を活用する遺伝子療法であるABO-102 (AAV-SGSH) およびABO-101 (AAV-NAGLU) などがある。アベオナではまた、劣性ジストロフィー表皮水疱症 (RDEB) のためのEB-101 (遺伝子修正皮膚移植片)、表皮水疱症 (EB) のためのEB-201、小児バッテン病 (JNCL) のためのABO-201 (AAV-CLN3) 遺伝子療法、幼児バッテン病 (INCL) のためのABO-202 (AAV-CLN1) 遺伝子療法、ファンコニー貧血 (FA) のためのABO-301 (AAV-FANCC)、希少血液疾患のための遺伝子療法に対する新規のCRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集のアプローチを使用するABO-302も開発中である。さらにアベオナでは、同社特有のエタノール不使用のSDF™ (塩類ダイアフィルトレーション) を使用する遺伝性COPDのためのSDF Alpha™ (α-1プロテアーゼ阻害剤) をはじめとする、血漿ベースのタンパク療法パイプラインも持っている。詳しくは、www.abeonatherapeutics.comを参照のこと。

本プレスリリースには、1933年米国証券民事訴訟改革法 (Private Securities Litigation Reform Act of 1995) (その改訂版) のセクション27aの意義の範囲内における将来の見通しに関する、リスクや不確実性を伴う記述が含まれている。これらの記述には、アベオナ・セラピューティクス社の希少病ポートフォリオに対する継続した関心、同社の治験に患者を組み入れる能力、治験の継続に成功する能力、競争による影響、製品やテクノロジーを開発する能力、必要な規制的承認を達成・取得する能力、金融市場および世界手経済環境の変化によるインパクト、バイオポテンシーと臨床的活性の当初のシグナルがABO-102が中枢神経系を含めた体内全体の標的組織に到達できるということを示しているという同社の確信、データがABO-102のしっかりとした全身的到達を実証しているものであるという同社の確信、CNSGAGの減少が増加したことが、サンフィリッポ症候群の患者における静注でありバリーという同社のアプローチをサポートするものであること、および証券取引委員会 (Securities and Exchange Commission) に同社が随時提出するフォーム10-Kの年次報告書やその他の報告書に記載されているその他のリスクを含めた、多数のリスクや不確実性が伴われるが、これらに限定されるものではない。アベオナ・セラピューティクス社は、新しい情報、将来の展開やその他いかなる理由であっても、本リリースに記載されている将来の見通しに関する記述の改訂を行ったり、本リリースの日付後に発生する出来事や状況を反映させるためにこれらを更新する義務を負わない。


            

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