アビオメッドのインペラ心臓ポンプが、ハイリスク経皮的冠動脈インターベンション中の腎障害を軽減することが新たな研究によって明らかに

学術誌「Circulation Research」が、これまでに発表された無作為臨床試験データを支持


マサチューセッツ州ダンバース, March 13, 2017 (GLOBE NEWSWIRE) -- Circulation Research誌に発表された新しい研究では、ハイリスク経皮的冠動脈インターベンション (HRPCI) 中にアビオメッド (Abiomed, Inc.) のインペラ2.5 (Impella 2.5®) 心臓ポンプを血行動態の改善に使用すると、これらの患者に既存疾患があり駆出率 (EF) が低い場合でも、急性腎障害 (AKI) のリスクを軽減できることが明らかになった1。この研究は、HRPCI中に造影剤が多めに使用されたときでも、腎障害率が数値的に低いことを見出した無作為化臨床試験 (PROTECT II2) からの初期データに基づくもので、HRPCI中にインペラを血行動態改善に使用する有益性の証拠が更に追加された。

今回のレトロスペクティブ単一施設研究では、HRPCIを受ける前にEFが35パーセント以下だった患者230例について、その処置と臨床結果を分析した。研究に参加した患者の半数に対して、処置中にインペラ2.5を血行動態改善に使用し、インペラを使用しないでHRPCIを受けている患者115例の適合対照コホートと比較した。本研究において、インペラを血行動態改善用に用いた患者は、左主幹部病変や三枝病変などの合併症の基礎疾患を有し、EFが低いために処置時間の中央値がより長く、造影剤量の中央値がより大きくなる傾向が見られた。

インペラ使用群の腎障害のリスク因子が増加したにもかかわらず、処置後の急性腎障害 (AKI) の発現は、インペラを使用しない患者コホートで27.8パーセントだったのに対して、インペラを使用した患者ではわずか5.2パーセントだった。インターベンション後の血液透析が必要になった患者は、インペラを使用しない患者で6.1パーセントだったのに対して、インペラを使用した患者では1パーセント未満だった。このことから、インペラを使用しない患者が血液透析を受ける可能性は6倍であると考えられる。入院期間の平均も、インペラを使用しない群の方が長かった。

「相当な数のハイリスクPCI患者に、左心室機能の大幅な低下と腎臓の基礎疾患の両方が見られます。処置中にこのような患者は高濃度の造影剤にさらされ、その結果、腎臓機能を更に損ないます。大幅に低い駆出率と腎臓の基礎慢性疾患 (CKD) であるにもかかわらず、インペラを使用した患者が急性腎障害を発現する可能性は使用しない患者の6倍も低いことがわかりました。これはハイリスクPCI中に腎臓保護目的の一部としてインペラの重要性を改めて強調しています」と、ルイビル大学医学部の医学生理学教室准教授で主任治験医師、第一著者・上級著者のマイケル・P・フラハティ (Michael P. Flaherty) 博士は語っている。

「私たちは、ハイリスクPCIプロセス中に生じる発作性の疾患による腎障害をインペラの使用で減らすことができます。また、尿細管の造影剤停留を最小に抑えることができると考えています。その結果、インペラの使用が特に重要になってきます。というのは、低い駆出率、腎不全の基礎疾患、長期にわたる処置時間にもかかわらず、周術期の腎臓の血流を表向き改善させ、造影剤の毒性を減らす段階的な処置3よりむしろ、完全血行再建術を受ける患者の方が多いためです」と、フラハティ博士は続ける。

「心保護の周知の値の他に、これらのデータは、インペラにより保護されたPCIが、透析あるいは別途費用がかさむ治療が必要になる可能性がある腎障害を防ぐのにも役立つかもしれません。多枝冠動脈疾患の患者に完全血行再建術をより多く施行することでインターベンション専門医がハイリスク患者を治療できる可能性があり、これは重要な発見です。私たちは多段階にわたって行われる複数のPCI処置に関連するリスクとコストを下げることができる可能性があります。そしてそれは、現在でも数多くのハイリスク患者が治療を受けているということです」と、アビオメッドの医務部長 (CMO)、セス・ビラザリアン (Seth Bilazarian) 医学博士は述べる。

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1.Flaherty MP, Pant S, Patel SV, et al.Hemodynamic Support with a Micro-Axial Percutaneous Left Ventricular Assist Device (Impella®) Protects Against Acute Kidney Injury in Patients Undergoing High-Risk Percutaneous Coronary Intervention.Circ Res.2017 Jan 10.

2.O'Neill WW, Kleiman NS, Moses J, et al.A prospective, randomized clinical trial of hemodynamic support with Impella 2.5 versus intra-aortic balloon pump in patients undergoing high-risk percutaneous coronary intervention: the PROTECT II study.Circulation.2012 Oct 2;126(14):1717-27.

3.Watkins S, Oldroyd KG, Preda I, et al.Five-year outcomes of staged percutaneous coronary intervention in the SYNTAX study.EuroIntervention.2015 Apr;10(12):1402-8.

インペラについて

インペラ2.5 (Impella 2.5®)、インペラCP (Impella CP®)、インペラ5.0 (Impella 5.0®) は、心原性ショックの心臓発作患者を治療する用途で米国食品医薬品局 (FDA) の認可を取得している。持って生まれた心臓の機能を回復できる独自の能力があり、患者自身の心臓を退院後も使い続けることができる。

インペラ2.5 (Impella 2.5®) とインペラCP (Impella CP®) はまた、ステントあるいはバルーン血管形成術などの選択的および緊急の経皮的冠動脈インターベンション (PCI) を受けている進行性心不全の患者に対して、閉塞した冠動脈を再び開通する治療の承認も取得している。アビオメッドの右側心臓ポンプ、インペラRP® (Impella RP®) は、右心不全を起こしている患者の治療に承認されている。本装置の使用に関連する承認済みの適応および安全性とリスクに関する情報を含む、インペラ心臓ポンプのプラットフォームの詳細は、ウェブサイト (www.protectedpci.com) を参照のこと。

ABIOMEDのロゴ、ABIOMED、Impella、Impella CP、Impella RPは、米国および一部の外国においてアビオメッド (Abiomed, Inc.) の登録商標である。Impella 2.5、Impella 5.0、「Recovering hearts. Saving lives.」はアビオメッド (Abiomed, Inc.) の商標である。

アビオメッドについて

米国マサチューセッツ州ダンバースに本社を構えるアビオメッド社 (Abiomed, Inc.) は、循環サポート医療機器のリーダー地位にあるプロバイダーである。同社の製品は、血流改善および/または心臓のポンプ機能を代行することで心臓を休ませるよう設計されている。詳しい情報は、以下のウェブサイト (www.abiomed.com) を参照のこと

将来の見通しについての記述

本リリースには、アビオメッドの既存製品および新製品、商業的成長に関する同社の進歩状況、将来の機会および予想されている規制関係の承認についての記述を含めた将来の見通しに関する記述が含まれている。同社の実際の成績は、複数の要因に基づきこれらの将来の見通しに関する記述とは重大に相違する可能性がある。これらの要因には、開発、テスト、関連した規制上の承認に関連する不確実性 (将来のロスを含む)、複雑な製造、高品質要件、限られた供給源への依存性、競争、技術的変化、政府の規制、訴訟関係の事項、今後の資本的ニーズ、追加の資金提供に関する負荷確実性、米国証券取引委員会 (Securities and Exchange Commission) にフォーム10-K (Form 10-K) で提出された最新の年次報告書およびフォーム10-Q (Form 10-Q) で提出された四半期報告書を含めた、同社のへの提出書類に記載されているその他のリスクが含まれる。読者には、本リリースの日付の時点のみの状況を説明している将来の見通しについての記述に不適切に依存しないように警告する。同社は、本リリース日以降に生じる出来事や状況を反映する可能性のあるこれらの将来の見通しの結果を公開する義務を一切負わず、これらの予想外の出来事の発生を反映する義務を一切負わない。

 


            

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