成果の共有を可能に: D-Wave、量子コンピューティングアーキテクチャ間の性能比較への扉を開く

IBMのQiskitを使用して、同じ問題をQiskitでサポートされるゲートモデルシステムだけでなくD-Wave Advantage量子システムにも送信可能に


ブリティッシュコロンビア州バーナビー発 , Dec. 10, 2020 (GLOBE NEWSWIRE) -- 量子コンピューティングシステム、ソフトウェア、サービスの分野で業界をリードするD-Waveシステムズ (D-Wave Systems Inc.) は本日、量子アニーリングコンピュータとゲートモデル量子コンピュータ間の相互運用を実現する、システム間ソフトウェアツールとしては初の製品をリリースした。このオープンソースプラグインを使用することで、開発者はIBMのQiskit™フォーマットの二次最適化の入力をD-WaveのQUBO (Quadratic Unconstrained Binary Optimization) フォーマットに簡単にマッピングし、Qiskitでサポートされている量子システムへの入力と同じ入力を解決できる。このコードは、GitHubのスタンドアロンパッケージとして無料で利用できるため、業界における画期的なマイルストーンとなっており、ゲートモデルコンピュータとアニーリング量子コンピュータの両方を使って、実際のアプリケーションを使用、テスト、解決、比較することができる。開発者や先進的な考え方を持つ企業にとって、自社のアプリケーションで様々なシステムのメリットを評価できるようになったのは初めてのことである。

変革をもたらすテクノロジーを成熟させるうえで非常に重要なステップは相互運用性である。これまで、ゲートシステムとD-Waveのシステムの両方のソルバーに同じ問題を送信するための便利な方法はなかった。また、異なる2つの量子コンピューティングシステムの結果を付き合わせて比較するための便利な方法もなかった。従来は、異なる量子コンピューティングベンダーのハードウェアおよびソフトウェアを使うには、開発者がコード、ソルバー、SDKに習熟する必要があり、それには多額の投資を要した。

このような問題を解決したのが、D-Waveの業界初のオープンソースパッケージである。Qiskitユーザーは、Qiskitがサポートするゲートモデルシステムに加え、D-Wave量子コンピュータにもイジングハミルトニアンを送信できるようになった。これにより、パラダイム間の透明性が上がり、比較が容易になったため、量子開発者は様々なシステムを試すことができる柔軟性を得られるだけでなく、性能に関する重要な情報を得て、量子アプリケーションを特定、構築、拡張できるようになった。

D-Waveはまた、ユーザーに、自分たちの成果を公開するよう呼びかけている。

D-WaveのCEO、アラン・バラッツ (Alan Baratz) は次のように述べている。「量子コンピューティングエコシステムを十分に成熟させるには、開発者コミュニティやビジネスコミュニティなどが様々な量子システムにアクセスし、アーキテクチャの性能を比較する必要があります。この先数年で、量子アプリケーションが大幅に普及するはずです。企業は競争力を維持するために、量子コンピューティングに対する投資とイニシアティブについて、情報に基づいた意志決定を下さなくてはなりません。もはや、「システムが本当に機能しているのか」を調べるだけの時代ではありません。むしろ、企業はどのシステムがビジネスに最も価値をもたらしているかをベンチマークしたいと考えています。この問題への扉を開くのが当社であると自負しています。当社はツールのユーザーに、成果を共有し、結果を公開するようにお願いしています。」

このニュースは、非常に強力な量子ハードウェア、ソフトウェア、ツールを提供することで、実用的な量子コンピューティングを実現するという、D-Waveが進めているミッションと合致している。D-Waveは2018年に、Leap™量子クラウドサービスおよびオープンソースのOcean™ SDKをリリースした。2020年2月、Leapが拡張され、実際のビジネス規模の問題を解決するための新しいハイブリッドソルバーサービスが追加された。9月末には、Advantage™量子システムをリリースした。このシステムは、5000量子ビット超、15通りの量子連結で、拡張されたハイブリッドソルバーサービスを使い、100万もの変数を使って問題を処理できる。Advantageの計算能力と拡張性を組み合わせ、Leapのハイブリッドソルバーサービスで実際の問題に対応することで、高性能かつリアルタムのハイブリッド量子アプリケーションを初めて実行できるようになった。さらに、今回の新しいシステム間ソフトウェアツールの登場により、アニーリングシステムおよびゲートモデルシステムでアプリケーションをベンチマークし、性能比較によって詳細を把握することで、メリットが得られるようになった。

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D-Waveは、企業が量子アプリケーションを構築できるようにするというコミットメントの一環で、D-Wave Launch™もリリースした。これは、ハイブリッド量子アプリケーションを今すぐ構築したいと考えているが、サポートも必要としている企業向けのジャンプスタートプログラムである。

D-Waveシステムズについて

D-Waveは、量子コンピューティングシステム、ソフトウェア、サービスを開発、提供するトップ企業で、世界で初めて商用量子コンピュータを提供したサプライヤーである。同社は量子コンピューティングの能力を世界的に広めることを使命としている。その使命遂行に向けて、ロジスティクス、人工知能、材料科学、創薬、サイバーセキュリティ、故障検出、財務モデリングなど多様な問題に対処する実用的な量子アプリケーションを通じて、顧客に価値を提供している。D-Waveのシステムは、NEC、フォルクスワーゲン (Volkswagen)、デンソー (DENSO)、ロッキード・マーティン (Lockheed Martin)、USC、ロスアラモス国立研究所 (Los Alamos National Laboratory) など、世界で最も先進的な組織に採用されている。D-Waveはカナダのバンクーバーに本社を置くほか、カリフォルニア州パロアルトおよびワシントン州ベルビューを拠点として、米国で事業を展開している。同社は公務員年金投資委員会 (PSP Investments)、ゴールドマン・サックス (Goldman Sachs)、BDCキャピタル (BDC Capital)、日本電気 (NEC Corp.)、In-Q-Telなどの優良投資基盤を擁する。詳しくは、www.dwavesys.comを閲覧されたい。

問い合わせ先
D-Waveシステムズ
dwave@launchsquad.com