Adagio Therapeutics、SARS-CoV-2の変異株オミクロンに存在するいずれの変異も、体外でADG20の中和逃避には関係しないことを報告


オミクロンに対するADG20の中和活性を測定するための追加の体外試験が進行中

新型コロナウイルス感染症の予防と治療のためのADG20の緊急使用許可 (EUA) 申請を2022年半ばに予定

2022年下半期の緊急使用許可に向けて在庫積み増しを継続し、今後2年間で400万回分の販売が可能になる

マサチューセッツ州ウォルサム発, Dec. 01, 2021 (GLOBE NEWSWIRE) -- パンデミックの可能性がある感染症用に抗体ベースのソリューションの創薬、開発、販売を主な事業とする臨床用バイオ医薬品企業であるAdagio Therapeutics, Inc.(Nasdaq: ADGI) は本日、同社の主力製品であるSARS-CoV-2抗体ADG20がSARS-CoV-2のオミクロン変異株やその他の既知の変異株に対応する可能性に関する情報を発表した。ADG20は、新型コロナウイルス感染症の予防および治療のために、懸念される変異株を含むSARS-CoV-2に対して広域かつ強力な中和活性を有し、1回の注射で最長1年間予防できるように設計された、治験中のモノクローナル抗体 (mAb) 製品候補である。

Adagioの共同創業者兼最高科学責任者であるLaura Walker博士は次のように述べている。「新型コロナウイルス感染症のパンデミックが世界的な規模で継続していることにより、ウイルスに対する免疫圧力が高まり、自然感染やワクチン接種によって誘導される一般の種別の中和抗体を逃避できる変異を含む変異株の出現が促進されています。緊急使用許可に基づいて現在入手可能なほとんどの抗体とは異なり、ADG20は、クレードIのサルベコウイルスの間で高度に保存されており、内因性の中和抗体反応によって容易に標的とされないエピトープを標的とすることが示されています。ADG20で認識されるエピトープは高度に保存されており、免疫劣性があるため、これまでに同定された他のすべての懸念される変異株の体外モデルで観察されたように、ADG20はオミクロン株に対する活性を維持すると予想されています。さらに、オミクロン株のスパイクタンパク質に存在する変異のうち、ADG20による中和の逃避に関連するものはありませんでした。ADG20は、SARS-CoV-2の急速な抗原性の進化と、パンデミックを引き起こす可能性を持つ将来のSARS類似ウイルスの出現の両方を想定して、強力かつ広域の中和活性を持つように設計されています。」

Adagioの共同創業者兼最高経営責任者のTillman Gerngross博士は次のように述べている。「ADG20は、1回の注射でSARS-CoV-2を最長1年間予防でき、広域、効能、持続性を兼ね備えた独特な設計になっています。SARS-CoV-2が今後も進化し続け、初期の治療法やワクチンが効かなくなる可能性を予想してこのような設計を選びました。「新型コロナウイルス感染症の予防薬と治療薬の両方として、2022年半ばの緊急使用許可申請を目指して、国際的な治験を進めています。当社は、開発計画の加速化の可能性や、新型コロナウイルス感染症パンデミックに対応するための療法のポートフォリオの必要性について、FDAをはじめとする規制機関や政府機関との協議を継続しています」

オミクロン株の出現により大きな健康上の危機が発生する可能性を考慮して、Adagioでは、この新たに出現した懸念される変異株に対処するためのADG20の有用性を実証するために、以下のような活動を行っている。

  • オミクロン株に対してADG20で期待される結合・中和活性を評価するための体外試験の実施。これらの研究の初期データは年内に得られる予定である。および
  • 南アフリカの複数の臨床施設(世界各地で実施中の治験と並行する)において、Adagioが実施している新型コロナウイルス感染症の第2/3相治験 (名称: STAMP) に参加する患者を募集し、オミクロン変異株の感染症に対するADG20の臨床データを得ることを目指す。

現在得られているデータに基づき、Adagioは、SARS-CoV-2および懸念される変異株に対抗するためのADG20の開発および供給を加速するために、保健当局および政府機関との連携を計画している。

ADG20と懸念される変異株
SARS-CoV-2の感染やワクチン接種によって誘導される中和抗体反応は、受容体結合ドメイン (RBD) を標的にする3クラスの抗体 (クラス1、クラス2、クラス3) が主であり、これらの抗体にはしばしば共通の逃避変異がある。南アフリカで新たに発見されたオミクロン (B.1.1.529) 変異株には、これらの一般的に誘発される抗体の大部分に対する耐性に関連する変異が含まれており、これらの抗原部位に対する免疫圧力が原因であると考えられている。緊急使用許可に基づいて入手可能なほとんどの抗体、あるいは後期臨床開発中のほとんどの抗体のデータは、これらの抗体がRBD内のこれら3つの支配的な抗原領域のいずれかを標的としていることを示している。

ADG20は、SARS-CoV-2の感染やワクチン接種によって誘導される一般的なクラスの中和抗体では標的とされない、RBD内の高度に保存されたエピトープに結合することが体外での研究で明らかになっている。そのため、新型コロナウイルス感染症患者から抽出され、内因性の中和抗体も標的としているエピトープを認識する他の多くの臨床段階の抗体とは異なり、ADG20の結合部位に対する免疫圧力は限定的である。ADG20エピトープは、2021年10月15日時点でGISAIDデータベースに登録されていた約400万の全長SARS-CoV-2ウイルス配列の99.99%で保存されており、体外試験で示されているように、ADG20はアルファ株、ベータ株、デルタ株、ガンマ株を含む先行の懸念される変異株に対する活性を保持している。オミクロン変異株については、スパイクタンパク質に存在する変異のうち、ADG20の中和の逃避に関連するものはない。公表されているエピトープマッピングと構造研究に基づき、Adagioは、他のmAb製品がオミクロン変異株に対して活性の多くを失う可能性があるのに対し、ADG20はオミクロン変異株に対して中和活性を維持するだろうと予想している。

これまでに発表された体外試験のデータは、最近出現したラムダ株、ミュー株、デルタプラス株を含む、循環しているSARS-CoV-2の多様な変異株に対して、ADG20の中和活性が維持されていることを示している。これらの体外試験の結果では、試験対象となった懸念されるSARS-CoV-2変異株すべて (現在緊急使用許可 (EUA) に基づいて販売されているか、後期開発段階にあるmAb製品に対して、感受性が低下するものも含む) に対して、ADG20の強力な中和活性が示されていることは、特筆に値する。

ADG20について
ADG20は、SARS-CoV-2および関連コロナウイルスのスパイクタンパク質を標的とするモノクローナル抗体治験薬であり、SARS-CoV-2が原因の新型コロナウイルス感染症の予防と治療用の世界的治験が進んでいる。受容体結合ドメインで高度に保存されたエピトープを標的として、SARS-CoV-2および追加のクレードIのサルベコウイルスに対して高い効能と広域の中和性を獲得することを目的として設計・開発された。ADG20はさらに、半減期を延長して持続性のある予防を実現するように設計されている。ADG20は、当初のSARS-CoV-2ウイルス、SARS-CoV-2の懸念される変異株であるアルファ株、ベータ株、デルタ株、ガンマ株、および現在までに報告されているその他のSARS-CoV-2の変異株、ならびに前臨床試験におけるその他のSARS様ウイルスに対して強力な中和活性を示している。ADG20は、治験では1回の筋肉内注射で投与されている。現在までのところ、ADG20は第1相試験で良好な忍容性を示しており、すべてのコホートで最低3カ月の追跡調査を行った結果、安全性シグナルは確認されていない。ADG20はまだどの国でも承認されておらず、安全性と有効性はまだ確立されていない。

Adagio Therapeuticsについて
Adagio(Nasdaq: ADGI) は臨床用バイオ医薬品企業であり、新型コロナウイルス感染症やインフルエンザを含めた、パンデミックの可能性がある感染症用に抗体ベースのソリューションの創薬、開発、販売を主な事業としている。同社の抗体ポートフォリオは、Adimabの業界をリードする抗体工学機能を使用して最適化されている。患者と臨床医のために、効能、広域、(長い半減期による) 持続性のある予防、製造しやすさ、手頃な価格を同時に実現している。AdagioのSARS-CoV-2抗体ポートフォリオには、ADG20をはじめとして、固有の結合エピトープを持つ、競合しない広域の中和性を持つ抗体が複数ある。Adagioは、第三者の下請メーカーと契約してADG20の製造能力を確保し、治験の完了と最初の上市をサポートし、世界各地の人々が広くアクセスできるよう図っている。詳しくは、www.adagiotx.comを閲覧されたい。

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