ニューラルステム (Neuralstem)、第56回米国神経精神薬理学会(American College of Neuropsychopharmacology、ACNP)の年次学会で大うつ病性障害を対象とするNSI-189の第2相治験の新しい有望な臨床データを発表


40mgの用量では、注意力と記憶力の客観的認知力尺度である
コグスクリーン(Cogscreen)で統計的に有意な改善が見られた

自己評価式の2件の二次エンドポイント(CPFQおよびQIDS)では、
うつ症状で統計的有意性のある改善が見られ、認知力改善効果もあり、
以前に報告されたSDQエンドポイントの効果を裏付けた

重篤な有害事象はなく、NSI-189は安全で忍容性も高いと考えられる

同社は、本日125 () 東部時間午前8時半にカンファレンスコールを主催する。

メリーランド州ジャーマンタウン, Dec. 06, 2017 (GLOBE NEWSWIRE) -- 中枢神経系療法の新開発に取り組むバイオ製薬企業、ニューラルステム(Neuralstem, Inc.、Nasdaq:CUR)は本日、第56回米国神経精神薬理学会 (American College of Neuropsychopharmacology、ACNP)の年次学会における、「神経増殖誘導化合物NSI-189リン酸塩の、大うつ病性障害の外来患者を対象にした第2相プラセボ対照二重盲験」という表題のポスター発表で、大うつ病性障害(MDD)に対するNSI-189の1日1回(QD)40mgの投与および1日2回(BID)40mgの投与の効能をプラセボと比較した第2相治験の追加の安全性、有効性、忍容性データを提示したと発表した。これら追加の結果では、NSI-189に客観的および主観的の両尺度で認知力改善の効果が抗うつ効果を伴うことを示唆した。

MGHリサーチ・インスティテュート(MGH Research Institute)の臨床研究部担当ディレクター兼マサチューセッツ総合病院精神科の専務副理事長・治験責任医師のモーリツィオ・ファヴァ医学博士(Maurizio Fava, MD)は次のように述べている。「NSI-189は主なうつ病の症状だけでなく、標準的抗うつ剤の効果が一般的にあまり認められない認知面の症状にも有効な、広範囲の効果を持つ抗うつ剤であると見受けられます。これらの結果は、現在の抗うつ剤治療で十分な結果が得られていないMDD患者に対して同化合物の試験を継続すべきであることを示しています。」

この第2相治験では、220人の被験者を6週間(ステージ1)にわたりNSI-189 1日40mg (n=44)、NSI-189 1日80mg (n=44)、およびプラセボ(n=132)に無作為に割り当てた。6週間後に、反応が無く(モントゴメリー・アスベルグうつ病評価尺度(MADRS)でうつ症状の軽減が50%未満と定義)MADRSスコアが15以上であったプラセボ群の患者を、6週間にわたりNSI-189 1日40mg (n=22)、NSI-189 1日80mg (n=22)、およびプラセボ(n=22)の治療に無作為に割り当てた(ステージ2)。  ステージ1を完了したNSI-189群の患者は更に6週間にわたり同用量の投与を受けた。  一次結果の尺度はMADRSであった。  二次結果の評価には、ハミルトンうつ病評価17項目尺度(HAMD-17)うつ病症状アンケート(SDQ)、認知・身体機能評価 (CPFQ)、患者評価版の簡易抑うつ症状尺度 (QIDS-SR)、CogScreen、CogState客観的認知力検査が含まれた。ステージ1で無作為化された全患者に関する効能結果は、ステージ1でプラセボに無反応であった患者を再無作為化したステージ2の結果にプール解析された(加重平均50:50)。

順次並行比較デザイン(SPCD)のプール解析のアプローチを使用してNSI-189 40mgまたは80mg群とプラセボ群でのベースラインからのMADRSスコア軽減を比較したところ、統計的有意性には達しなかった (それぞれ平均差-1.8、p=0.22、平均差-1.4、p=0.34)。  しかし、40mgの用量では、プラセボと比較したSPCDプール解析で、SDQ (平均差-8.2、p=0.04) およびCPFQスコア(平均差-1.9、p=0.03)で統計的有意性のある軽減が見られた。また、ステージ2でNSI-189 40mgの治療を受けた患者では、QIDS-SRでプラセボと比較して統計的有意性のある軽減が見られた(-2.5, p=0.04)が、これはステージ1では見られなかった。  これら3件の自己報告尺度の80mg用量とプラセボの比較では、統計的有意性のある差異は見られなかった。

さらに、40mgの用量ではCogscreen検査で注意力と記憶力の認知力尺度で統計的有意性のある効果が見られたが、Cogstate検査ではそのような効果は見られなかった。単純注意力 (SATADRTC、p=0.034)、複雑注意力 (SATACACC、p = 0.048)、記憶力 (SDCDRACC、p = 0.002、80mg用量でも見られp = 0.015であった) 。

どちらの用量も忍容性が高く、ステージ1では、40mg、80mg、プラセボ群で治療を中止したのはそれぞれ0人、0人、7人であった。ステージ2では、40mg、80mg、プラセボ群で治療を中止したのはそれぞれ1人、0人、1人であった。  さらに、NSI-189で治療を受けた被験者では重篤な有害事象は見られなかった。

ニューラルステムの会長・CEO、リッチ・デイリー(Rich Daley)は次のように述べている。「神経増殖誘導性、神経栄養作用のあるNSI-189の新しい機序が、うつ病患者において抗うつ効果と認知力改善効果の両方を示し、患者本人およびコンピュータを使用した客観的測定の両方で有意義な効果が報告されていることを極めて嬉しく思っています。これらの結果は、MDD患者における以前の第1b相試験で見られたうつと認知力の尺度の両方で効果が見られる可能性を示唆した結果を裏付けています。NSI-189の臨床開発と規制上の手続をさらに定義するために2018年上半期に食品医薬品局と面談し、本治験の結果を今年末までにピアレビューを介した専門誌で発表するのを心待ちにしています。」

カンファレンスコールとウェブキャスト
本発表に関連し、ニューラルステムは本日12月5日東部時間午前8時半にカンファレンスコールを主催する。このコールは、1 (833) 584-0034 (米国またはカナダ) または1 (409) 350-3602 (米国・カナダ以外)でアクセスできる。カンファレンスID番号: 4382159。ライブウェブキャストまたはその後のアーカイブは、ニューラルステムのウェブサイト (www.neuralstem.com) の「Events (イベント)」セクションでアクセスできる。アーカイブのプレゼンテーションは90日間利用可能。

NSI-189について

NSI-189はベンジルピペラジン-アミノピリジンであり、大うつ病性障害(MDD)の治療用の臨床開発段階、アンジェルマン症候群、放射線に起因する認知障害、1型・2型糖尿病および脳梗塞の治療用の前臨床開発段階の小分子である。NS-189はMDDの治療のために開発された新化合物である。データによると、NSI-189は現在販売中の抗うつ剤とは機序が異なり、海馬のシナプス形成あるいはニューロン形成を促進することで作用することが示唆されている。  前臨床試験によると、NSI-189はヒトの海馬からの神経幹細胞のニューロン形成を体外で刺激し、マウスの海馬(体内)でニューロン形成を刺激することが判明している。これらの試験は、NSI-189を神経再生薬として多岐にわたり使用できる可能性を示している。  NSI-189は同社の幹細胞ベースのスクリーニングプラットフォームで発見された。同社のNSI-189を含めた小分子化合物ポートフォリオは、10件に及ぶ同社取得済・発行済・出願中の米国特許および、60件に及ぶ同社取得済・発行済・出願中の米国外の特許の対象になっている。

ニューラルステムについて
ニューラルステムは、医療上高いニーズがあるものの、満たされていない神経疾患系の治療を新開発する、臨床段階向けバイオ医薬品会社である。  NSI-189は、大うつ病性障害 (MDD) の臨床開発段階、アンジェルマン症候群、放射線に起因する認知障害、1型・2型糖尿病および脳梗塞の前臨床開発段階の小分子である。  NSI-566は脳梗塞、慢性脊髄損傷 (cSCI)、筋萎縮性側索硬化症 (ALS)に起因する麻痺の治療に向けた試験中の幹細胞療法である。  ニューラルステムの多岐にわたる製品候補ポートフォリオは、特許取得済みの神経幹細胞の技術に基づくものである。

将来予測に関する記述についての注意
本ニュースリリースには、米国1995年私募証券訴訟改革法(Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の「セーフハーバー」規定に定義する「将来予測に関する記述」に該当する情報が記載されている。このような将来予測に関する記述は、過去ではなく将来の出来事に関するものであり、「期待」、「予想」、「意図」、「計画」、「確信」、「追求」、「将来的な意図」などの言葉で識別可能な場合がある。将来予測に関する記述には、必然的にある程度の不確実性が存在する。よって、実際の結果において、将来予測に関する記述に記載されている内容と大きく異なる要因としての特定のリスクや不確実性には、製品候補の開発および商業化に伴うリスク、治験結果や規制当局による承認や許可、将来的な資本の必要性、協力者に対する依存性、知的財産権の維持などが含まれている。実際の結果は、将来予測に関する記述で予想されている結果と大きく異なる場合がある。同社の結果に影響する可能性のある要因やその他のリスクや不確実性についての詳細情報は、米国証券取引委員会(Securities and Exchange Commission)に提出された2016年12月末日までの1年間についてのフォーム10-K年次報告書、2017年9月末日までの3カ月間および9カ月間についてのフォーム10-Q、SECに提出したその他の報告書など、ニューラルステムの定期的報告書に随時記載されている。同社は将来予測の記述に関して更新を行う一切の義務を持たない。

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