イノビオ社、3件の前臨床試験で同社のDNAコード化モノクローナル抗体 (dMAb™) プラットフォームの効力をさらに実証し、2019年初旬の初回臨床試験に向けて準備を進める


ペンシルベニア州プリマス・ミーティング , Nov. 27, 2018 (GLOBE NEWSWIRE) -- イノビオ・ファーマシューティカルズ (Inovio Pharmaceuticals, Inc.、NASDAQ: INO) は本日、DNAコード化モノクローナル抗体 (dMAb™) 技術について最近発表された研究で、前臨床モデルにおいて、心血管疾患の治療、ならびにエボラウイルスおよびライム病を引き起こす細菌による感染の予防で目覚ましい結果が見られたことを発表した。同社では、最近発表された数件の有望な前臨床データを活用して、来年初頭に全面的な外部資金で感染症治療dMAb製剤の臨床試験を開始する予定である。

従来のモノクローナル抗体は、癌、感染症、炎症、心血管疾患などの治療で使用され、毎年医薬品販売で500億ドル (約5兆7,000億円) 以上を占める医薬品市場の最大のセグメントである。イノビオのdMAb製品は、その合成設計および患者体内での生産により、この重要な薬物群に大きな革新をもたらす可能性がある。DNAプラスミドによって提供される遺伝子の指示が体内に直接提供されると、患者自身の細胞が治療用抗体物質を製造する「工場」として機能するようになる。イノビオは、ここ数年でdMAbプラットフォームを進展させるために、非希薄化交付金を6,000万ドル (約68億円) 以上受け取っている。同社のdMAbプラットフォームに対する追加のサポートとして、dMAbプラットフォームを進化させ、dMAbの次世代の臨床デリバリーデバイスの開発をサポートするために、ビル&メリンダ・ゲイツ財団 (Bill & Melinda Gates Foundation) から220万ドル (約2億5,000万円) の投資を受けた。この点に関して、同社のdMAbは、新たに出現しつつある世界的な感染症の脅威に迅速に対応し、重大なワクチンの限界に対処するために高い適用性を有していることから、大きな関心を集めている。

3件の発表済みの研究のうち、初回の発表では、血流中のコレステロールレベルを制御するタンパク質のカギであるPCSK9に対する前臨床試験で、心血管疾患にdMAb技術を適用した。低密度リポタンパク質コレステロール (LDL-C) の上昇は、米国および世界各地で主な死因となっている心血管疾患の主要な危険因子である。スタチンは効果的かつ広く使用されているコレステロール低下剤であるが、いくつかの副作用に関連付けられているため、肝細胞上のLDL-C受容体の劣化を減少させ、血流からのコレステロール除去を増強するPCSK9タンパク質を標的とするモノクローナル抗体を含む代替治療戦略の開発が促されている。アムジェン (Amgen) によるレパーサ (Repatha®、エボロクマブ) およびリジェネロン (Regeneron) /サノフィ (Sanofi) によるプラルエント (Praluent®、アリロクマブ) を含む、モノクローナル抗体としてのいくつかのPCSK9阻害剤が既に使用承認を得ている。これらの製品はいずれも2週間または4週間ごとに注射剤として投与される。これらはPCSK9を標的として不活性化し、血流中で循環している有害なLDLコレステロールの量を劇的に減少させる。

イノビオのdMAbを筋肉注射すると、1回の投与で数日後に抗PCSK9抗体が発現して最大2カ月間持続し、肝細胞でのLDL-C受容体の存在が大幅に増加したのは素晴らしいことであった。このことは、心血管リスクを評価するための2つの重要なパラメータである総コレステロールおよび非高密度リポタンパク質コレステロール (非HDL-C) の有意な減少をもたらし、単純でより少ない頻度で済む、費用対効果の高い治療法としてこのアプローチをさらに開発していく可能性が生まれる。これらの結果は、イノビオの研究者およびその学術研究者が「Molecular Therapy」誌で発表した論文で報告されている。

「Cell Reports」誌に掲載された第2の研究では、イノビオの抗エボラdMAb製品がすべての動物を致命的エボラウイルスチャレンジから保護したことを示した。実際に、これらの結果はdMAbが長期的に発現し、この致命的ウイルスチャレンジに対して完全かつ長期的な保護を提供することを示した。これらの研究は、エボラに対するdMAbベースの治療法およびDNAワクチンの両方を開発するために、DARPAからイノビオおよび共同研究者に提供された4,500万ドル (約51億円) の助成金から出資された。

第3のdMAb試験は、マウスにおいてライム病を引き起こす細菌の伝染を阻止することができることを示した。これらの結果は、「Journal of Infectious Diseases」誌に掲載され、動物モデルにおいてライム病を引き起こす細菌 (ボレリア) の伝染を阻止するdMAbを使用した初の実証となった。この研究では、マウスに接種されたプラスミドDNAでコーディングされた抗OspAモノクローナル抗体は、>6 μg/mLという極めて高い血清抗体濃度を達成した。野生型dMAbまたはタンパク質対照野生型MAbを注射したマウスのうち、各群で約75%がボレリア感染ダニによる急性チャレンジから保護されていた。興味深いことに、dMAbをSynConシークエンスエンジニアリングでさらに最適化したところ、保護レベルは92%までに増加し、イノビオのdMAbアプローチの力を十分に実証した。ライム病に対する市販のワクチンが存在しないことも考えると、これらの結果は重要である。

世界的な感染症の分野では、イノビオのdMAbプラットフォームは、従来のワクチンアプローチと比較して、既知の特異性および濃度の抗体による即時の保護、能動免疫に対する年齢依存の反応からの独立性を含む多くの利点を有する。従来のタンパク質抗体送達は、病原体に対する介入を行うための魅力的なアプローチであるが、バイオプロセッシングとコールドチェーンの要件の費用がかさむために、このアプローチを世界中の人口に普及させるには限度があった。

イノビオの最高科学責任者であるローレン・ユーモー博士 (Dr. Laurent Humeau) は次のように述べている。「広範な用途のため最適化できる次世代のアプローチとしての、dMAbプラットフォームの柔軟性と多様性をサポートするこれらの知見について胸を躍らせています。過去18カ月に、イノビオでは、dMAbプラットフォームについての強力な前臨床データを継続的に実証する、影響力の強い論文を10回発表しており、致命的な感染症に対する保護や、癌の排除、生命に危険を及ぼすレベルのコレステロールを低下させる治療などへの適性を示しています。イノビオのdMAbは、モノクローナル抗体医薬品の製造に伴う困難で高価な問題を解決できる独自の特長を提供しています。さらに、当社では抗癌効果を有する独自のdMAbチェックポイント阻害剤についても公開し、米国の特許庁は、昨四半期に当社のdMAb技術に対して最初の2件の特許を付与しました。当社では、来年初旬に最初のdMAb製品を臨床試験に投入し、企業のパートナーシップ、外部資金調達、コラボレーションを通じて複数のdMAb製品のパイプラインを開発する予定です。」

イノビオの最近発行されたdMAbの結果については、下記のピアレビュージャーナルに掲載されている。

  • 「Molecular Therapy」誌 -- “Development of Novel DNA-encoded PCSK9 Monoclonal Antibodies as Lipid-lowering Therapeutics.”
     
  • 「Cell Reports」誌 -- “In Vivo-delivered Synthetic Human dMAbs Protect Against Ebola Virus Infection in a Mouse Model.”
     
  • 「The Journal of Infectious Diseases」誌 -- “Anti-OspA DNA-Encoded Monoclonal Antibody Prevents Transmission of Spirochetes in Tick Challenge Providing Sterilizing Immunity in Mice.”

イノビオのDNAベースのモノクローナル抗体プラットフォームについて

従来のモノクローナル抗体は、体外のバイオリアクターで製造され、一般的に高価で大規模な製造施設の開発および労力のかかる生産が必要とされる。イノビオの革新的なdMAb技術は、簡素化された設計、迅速な開発、製品の安定性、製造および利用の容易性、費用対効果の点でこれらの限界を克服し、多様な疾病を治療する新しい方法を提供できる可能性を秘めている。イノビオのdMAb技術でのもう一つの重要な進歩は、所望のモノクローナル抗体のために最適化された遺伝子が、非常に費用対効果が高く、極めてスケールアップしやすい発酵技術を用いて生産されるDNAプラスミドでコーディングされることである。これらのプラスミドは、エレクトロポレーションを用いて体内の細胞に直接送達され、コーディングされたモノクローナル抗体がこれらの細胞によって直接産生される。以前に発表された研究では、HIVウイルスを標的とする高度に最適化されたDNAベースのモノクローナル抗体を単回投与したところ、マウスの血流で抗体が高濃度で発現したことを示した。イノビオも同様に、インフルエンザ、エボラ、チクングニヤ、およびデング熱という致命的な問題に対し、dMAb製品が動物を保護したことを示すデータを報告している。

イノビオ・ファーマシューティカルズについて

イノビオ・ファーマシューティカルズ (Inovio Pharmaceuticals, Inc.) は、癌および感染症の治療を変貌させるDNA免疫療法の発見、開発、および商業化に特化している後期バイオテクノロジー企業である。イノビオ独自のプラットフォームテクノロジーは、標的疾患に対する強力な免疫応答を活性化するために、次世代の抗原シークエンシングとDNAデリバリーを適用している。この技術は体内のみで機能し、標的である癌および病原体に対する頑強かつ完全な機能性を備えたT細胞および抗体反応を一貫して活性化することが立証されている。イノビオは、当該の臨床結果をもたらすことができるキラー能力を持つT細胞の生成を報告している唯一の免疫療法専門企業である。イノビオの最も進歩した臨床プログラムである「VGX-3100」では、HPV関連の子宮頸部前癌の治療の第3相治験を実施中である。また、頭頸部癌、膀胱癌、膠芽腫を標的とする第2相段階にある癌免疫治療プログラム、さらにB型肝炎、ジカ、エボラ、MERS、HIVのプラットフォーム開発プログラムも開発中である。パートナーや提携組織には、メディミューン (MedImmune)、リジェネロン (Regeneron)、ロシュ/ジェネンテック (Roche/Genentech)、アポロバイオ・コーポレーション (ApolloBio Corporation)、ビル&メリンダ・ゲイツ財団 (The Bill & Melinda Gates Foundation)、ウィスター・インスティテュート (The Wistar Institute)、ペンシルバニア大学 (University of Pennsylvania)、パーカーがん免疫療法研究所 (Parker Institute for Cancer Immunotherapy)、CEPI、DARPA、ジーンワン・ライフ・サイエンス (GeneOne Life Science)、プラムライン・ライフ・サイエンシズ (Plumbline Life Sciences)、ドレクセル大学 (Drexel University)、NIH、HIVワクチン臨床試験ネットワーク (HIV Vaccines Trial Network)、米国国立がん研究所 (National Cancer Institute)、米軍HIV研究プログラム (U.S. Military HIV Research Program)、およびラヴァル大学 (Laval University) が含まれる。詳しくは、www.inovio.comを閲覧されたい。

本プレスリリースには、エレクトロポレーションに基づく薬剤および遺伝子デリバリー技術およびDNAワクチンの開発計画、臨床試験の開始計画および実施、およびそれらの臨床試験のデータの入手とタイミングを含めた研究開発プログラムについての同社の期待を含めた、同社の事業に関連する将来の見通しに関する記述が含まれている。実際の出来事や結果は、前臨床試験、臨床試験、および製品開発プログラムに内在する不確実性、デリバリーメカニズムとしてのエレクトロポレーション技術の安全性および有効性を実証する取り組みまたは利用可能なDNAワクチンを開発する取り組みにおける継続的な研究および調査をサポートするための資金の可用性、シンコン (SynCon®) アクティブ免疫療法およびワクチン製品のパイプラインをサポートする同社の能力、同社がライセンスする製品の開発および商業的マイルストーンおよび製品の売り上げを達成し同社に将来の支払いや印税をもたらす同社の提携組織の能力、同社の資本資源が十分であるかどうか、同社または提携組織が開発しようとしている療法や治療よりも有効性が高いかまたは費用対効果が優れた代替治療を含めた、同社または提携企業が標的としている疾病の代替療法・治療の可用性または潜在的な可用性、製造物責任にまつわる問題、特許にまつわる問題および特許またはそのライセンスが他者による対象技術の使用に対して有意義な保護を提供するかどうか、しかる所有権が執行可能であるかどうかおよび防御可能であるか、または他者の権利を侵害したり、侵害するという主張の対象になるかどうか、および無効であるという主張に有効な抗弁を行えるかどうか、およびそれらの告訴、保護、防御に必要とされる資金やその他の重要なリソースを配分できるかどうか、企業での水準、企業またはその他のパートナーや提携組織による同社の技術の評価、資本市場の状況、医療についての政府の法案の影響、および20171231日に終了した年度についてのフォーム10-Kの年次報告書、2018930日に終了した四半期についてのフォーム10-Qの四半期報告書、およびその他随時行われる規制上の提出書類に記載されているその他の要因を含めた様々な理由により、本書に記載されている予想とは異なる場合がある。同社のパイプラインになるいずれの製品候補も、開発、製造、または商品化に成功するという保証はなく、臨床試験の最終結果がライセンス対象製品の販売に必要な規制当局の承認を支持するものとなるという保証はなく、本書で提供される将来の見通しについての情報が正確であることが立証されるという保証もない。将来の見通しに関する記述は、本リリースの時点のみについて述べたものであり、法律で義務付けられている場合を除き、これらの記述を更新または改訂する義務は一切負わない。

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